
お茶の路
東名高速を使い静岡県中部に入ると、両サイドにお茶畑が広がる。多くの人が、ただ眺め、通り過ぎてしまうだけの、その風景をもっと近くで見たくなり、気まぐれに訪れてみた…。
東に富士山を望み、大井川を見下ろす。どこまでも続くかに見える、広大な緑の地「牧の原台地」だ。台地は、日照時間が長く昼夜の温度差もあり、又、朝夕には霧が発生するなどのお茶の生育には有利な条件を備えている。
その環境を活かしたがために「お茶の生産量日本一」を誇っている。
ただそれだけではない、「武士の誇りと遠州人の情熱」が根底にあるのだと思う。
明治初期までは雑木林の台地であったが、江戸の元士族と大井川人足の並々ならぬ努力によって今日の風景がある事を多くの人は知らない。
今で言うならば時代の流れによって突然の転職を余儀なくされた事に似ているかも知れない。
先ほどまでの黒い雲は遠くへと追いやられ、いつのまにか青い空が出ている。
「まだ居たい夏と、もう来たい秋」が戦っている。
そんな季節の中をただ、めまいがするほどに歩いていた‥‥by 濱 覚
(2012.10.26)