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Topics / Photo Essay Vol.28「小 海 線(こうみせん)」

棚田

小 海 線(こうみせん)
 山梨での仕事を終え長野に向かう途中、大好きな風景と出逢った。
北東に八ヶ岳連峰、南西に南アルプス連峰。山並を背に悠々と風を切りながら、列車が走って行く…。
山梨県 小淵沢駅〜長野県 小諸駅を結ぶ全長78.9Km、標高1375mの日本一、天に近いJR線、それが、小海線だ。
通称八ヶ岳高原線とも呼ばれている。登り下りの差が大きいため、力が有り燃費の良いディーゼルエンジンで列車を走らせている。
2両編成でコンパクトな美しいフォルム、電車とは呼ばず、気動車って呼ぶほうがより正確なのかも知れない。
農作業をしていた人に次の上り線の時刻を尋ねてみた。何と! 今度来るのは2時間後との事。
「日が暮れてしまうなあ」落胆して、つい、つぶやいてしまった…。
すると、「下り線なら陽のある内にもう1本あるさ、それが わしらの帰りの判断だから」
そう言って得意気に袖をまくって見せた。確かに日焼けした腕に時計はなかった。
小海線は単線であり、上下線がおよそ1時間おきに入れ替わり通過している。どうやら地元の人達は列車の通過で時を計っているようだ。待つ事数時間…。
コトッ!コトッ!コトッ!と音が大きくなってきた。カーン!カーン!と遮断機の音も聞こえる。
胸の鼓動が頂点に達したその時、今度は甲斐駒ケ岳と夕日を従えて、それは森から顔をだした。
曲線を描きスピードを下げ「ピーッ!」と警笛を鳴らした。
まるで「待たせたなあ」とでも言わんばかりに‥‥by 濱 覚
(2012.06.15)